

僕のいる国は、ダークフォレストという小さな国だ。
朝も昼も夜も、一日中闇に包まれ自然と言う名の光は存在しない。
それが当たり前だと思っていた。
当たり前だと言い聞かせていた。
旅人「しかし、本当に真っ暗なんだなこの国。」
サイ「なぁ、オッサン!!!!!!」
旅人「何だ、坊主?」
サイ「他の国は暗くないのか?」
旅人「はぁ?」
サイ「だから、他の国もこんな感じじゃないのかって聞いてんの。」
旅人「お前、他の国に行った事がないのか?」
サイ「あぁ、国から出たらいけないんだ。」
長老「これ、もういいからお前は下がっていなさい。」
サイ「嫌だ。」
長老「これ、サイ。」
サイ「ジイチャンは、他の国の話をしようとするとすぐに止めたがるんだもん。」
旅人「ハハハッ、他の国は明るくて温かいぞ。」
サイ「本当かっ!?」
旅人「あぁ、本当だ。」
ミミ「あぁ〜、サイったら仕事さぼってこんな所にいたぁ!!!!!!!」
サイ「うわっ、ミミ!?」
ミミ「あんたのせいで仕事が終わらない…って、コチラはどなた?」
旅人「初めましてお嬢さん、僕はシガナイ旅人ですよ。」
ミミ「旅人!?」
長老「ほれ、二人ともさっさと仕事に戻らんか。」
2人「はぁ〜い…。」
旅人「さて、俺はそろそろおいとましますかね。」
長老「ちょっと待ちたまえ、旅人さんよ。」
旅人「何でしょうか?」
長老「くれぐれも、彼らに外の話をしないで頂きたい。」
旅人「何でですか、外を知る事は良い事だと思うけどねぇ〜。」
長老「ここは光が存在しない国、冷たい国。
光が無いからこそ期待などせず生きられる。
明るい世界を生きる事は、期待する分悲しみも大きくなる。
それなら最初から闇の中で過ごせばいいのだ。」
旅人「………。」
長老「暗い事が当たり前にしないと、子供達が可哀想じゃ。」
旅人「俺は、その考え方が可哀想だよ…。」
サイ「わりぃ、遅れた。」
ゴン「遅れたじゃないです、サボリです!!!!!!」
サイ「そんな怒らなくたっていいじゃん、なぁ、チペ」
チペ「チペも、今回はサイ君が悪いと思いますぅ☆」
ミミ「ほら、味方なんて誰一人いません。」
サイ「チェ…、寂しいぜ。」
タグ「おぉ〜い、みんなぁ〜。」
チペ「あっ、タグチンですぅ☆」
ゴン「どうしたんですか、そんな大声上げて。」
タグ「昨日、また5人も死んだんだって。」
ミミ「なぁ〜んだ、そんな事か。」
サイ「生きてるものはいつか死ぬんだって習っただろ。」
タグ「そうだけど…。」
ゴン「期待して生きるなんて無駄です、倫理に反します。」
サイ「そうそう、どうせ俺達はこの暗い中で適当に生きてるだけなんだし。」
ミミ「いつ死んでも、どうでもイイ事だわ。」