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投稿者:りあ
投稿日:2007-05-23 19:52:31
引用:
得点:3.14
閲覧数:531
時は江戸。
人々が平和に暮らすその陰で、蔓延るのは悪しき心から生まれた妖怪。
人々にはそれを倒す手段はなかった…。
だが、そんな人々を守る者が。
「最近、後輩の子達が攫われてしまってねぇ…。あんまりにも不気味だから誰も外に出たがらないから、こちらとて、困りきってんだ。」
はぁ、とため息をつく美しい女性。彼女の名は九又(クマタ)。この街で売れっ子芸者をやっている。
「それって、怪しいっすよね姉貴!俺ら向けの仕事っぽくない?」
眼鏡の奥で目をきらきらさせているのは売れない小説家の牙天(ガテン)。
「そんなに目を輝かせるなんて不謹慎ですわ…もっと哀れみの心を持ちなさい…。」淡々と落ち着いた口調でしゃべるのは田乃緒(タノオ)。ここではシスターである。
「そうだぞ!牙天の兄ちゃん駄目だぞ!」
まだまだ子供っぽさが抜けない口調と見た目の小町。
旅芸人の一家に世話になっている。
「うっせぇなぁ!…で、姉貴、なんか手がかりとかないんすか?」
「そうねぇ…皆いなくなる前に、湖に行っていたわ。恋愛成就の。」
「…『根射羅(ネイラ)湖』ですね。」
「そこに行ったら、いなくなっちまったのか?」
「えぇ。」
「そこに行ってみるのが1番でしょう…。」
「んじゃ、俺が」
「待って、攫われたのは芸者だわ。だから、私が行く。皆は後からついてきて。」
「りょーかい!」
そしてこの4人は湖に向かいました…。
「…別に変わったとこはないはね…。」
九又は警戒しながら湖に近づく。…と!
湖が裂けるように鳴いたかと思うと、8本の首を持つ日々のような生き物が。
「お前は…ヤマタノオロチ!」
「ほほ…これはこれはとんだ上魂だ。是が非でもワシのものになってもらわければな…。」
首が1本九又に近づいたところで、
「最近の誘拐事件はお前の仕業だったのか!」
九又の後ろから3人が姿を現す。
「もう、お前の好きにはさせないぞ!」
「お前ら…人ではないな。」
「そういうこと。遠慮なくいかせてもらうわよ!」
九又の頭からぴょこんと獣の耳。尻のほうからは9本に分かれた美しい尻尾。
「ほほう…九尾の狐か。この目で本物を拝めるとはな。ますます欲しくなった。」
3本の首が同時に九又に襲い掛かる。
「おいおい、それはセコイだろ!」
金棒を持ち、角が生えた牙天。
「そうだぞ!それは男じゃないぞ!」
2本に分かれた尻尾。小さく生えた耳。伸びた爪。
「鬼に、猫又か…。」
「余所見してんじゃないわよ!」
刹那、九又の業火が降りかかる。牙天と小町も同時に攻撃を仕掛ける。
「ふ…それでこそ甚振りがいがある。」
喉を鳴らして笑い、3人の攻撃を避ける。
「次はワシからいくぞ!」
ヤマタノオロチの口から毒毒しい色の液体が吐かれる。
「ここは私に…。」
ばっ、と出てきた田乃緒が瞬時にシールドをはる。
液体は弾かれ飛び散り木にかかる。
じゅう、と音をたてて木が溶ける。
「強い酸性のようですわ。」
「これは苦戦しそうね。」
「ヤマタノオロチ!なんで芸者のお姉ちゃんをさらうんだ?」
小町がヤマタノオロチに向かって聞く。
「ふふ…それはな。」
7本の首は毒を吐き続け、1本が答える。
「ワシは女が大好きだからだ!だから此処に来た女たちを攫ったんだ!」
「ちょ、ちょっと、昨日私行きましたけど、出てこなかったじゃありませんか!」
「「「え?」」」
「ワシにだって選ぶ権利くらいある!お前みたいなペッタンコいらんわ!」
「…ぺッタンコ?」
「Σた、田乃緒の地雷踏んだぞ!」
ごおぉ、とすさまじいオーラが。
「な、なんだ…?」
ヤマタノオロチもそのオーラに気負けして毒を吐くのをやめる。
田乃緒もシールドを解除する。
「「「ご愁傷様…。」」」
3人はそう言いながら、そそくさと離れていく。
「…私は…これから…おっきくなるんですよー!!!!」
巨大な蛇がヤマタノオロチに襲い掛かる。
「こ、これは清姫…!」
「死ねぇデリカシーなし!」
田乃緒の攻撃が直撃すると、ヤマタノオロチは断末魔を上げることも許されずに息絶え、消えた。
「…あ、貴方に神様からの加護があらんことを…。」
「今言っても説得力ねぇって。」
それから、無事に攫われた娘たちを救い出した4人は岐路に着く。
「いやぁ、今日は田乃緒のお手柄だな!」
「田乃緒の姉ちゃんかっこよかったぞ!」
「…忘れてください。」
「ほら、あまり蒸し返しちゃ駄目よ。」
九又が2人に笑いながら言った。
「もう、九又さんまでっ。」
田乃緒はよっぽど恥ずかしいのか、顔を背けてしまう。
「ごめんごめん。ほら、私の仕事前に皆にいつもの茶屋であんみつおごったげるから機嫌直して。」
「流石姉貴太っ腹!」
「ありがとうだぞ!」
「…クリームもほしいです。」
「はいはい。分かった。じゃ、皆行くわよ!」
「「「はーい」」」
こうして今日も江戸の平和は手際よく守られたのであった…。
お江戸ものです。
ちょっと変かな…なんて思います。
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